著者の声 -Author Voice-
租税は、国家運営の基礎である財源(資金の調達)を問題としており、他方、財政は、国家運営そのものである行政(資金の使途)を問題としている。 財源なくして、国家(広義としては「中央政府」と「地方政府」を含めて表現している。)の運営はなしえない。現在、日本国家は、巨額の財政赤字を抱えて、身動きができない情況にある。その理由としては、大きく分けてふたつある。収入としては長期の景気停滞(不況とデフレ)があり、支出としては少子高齢化社会(担い手の減少と社会保障費の増大化)がある。これに対する「有効な解決策はない」に等しい。まず、政府が動かないことと、国民の理解が低いことによって、徒に時間だけが経過しているのが、現実である。 しかし、財政的な意味における国家の崩壊と国民生活の困窮化は避けられず、その解消に向けた解決策の実施の時間的猶予は余りない。そのために、まず、政府と国民のコミュニケイションが必要である。税金は、納税者にとって、見返りのない支出(経済的負担)であることから、とくに、資金使途の透明性、公平性はもとよりのこと、情報の公開が必要である。そのうえで、国民のひとり独りが「租税の基礎」を理解し、国家財政の健全化に向けた協力が重要になっている。 以上のような背景の基に、国民が理解しておくべき「租税法の基礎的知識」をまとめたものが、本書である。難しいところは飛ばして読めばよい。全体を読破すれば、一通りの基礎的知識を取得することが可能である。さらに、一歩進めたいと思う人は、もう一度、読めば、相当程度理解することができるものと思っている。









